ISO45001/JIS Q 45100
ISO45001:2027 改訂状況
2026.11.2
ISO45001が2027年に改訂予定
労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格「ISO 45001」は、2018年の発行後初めての改訂が進められています。中災防ではISO45001改訂ワーキンググループに職員を参加させ、最新の情報を入手しています。
ISO45001移行スケジュール ※予定であるため、変更される可能性があります。
| 段階 | 工程 |
|---|---|
| 現行規格 | 2018年3月ISO 45001:2018発行 |
| 国際規格案(DIS) | 2026年10月発行予定 |
| 最終国際規格案(FDIS) | 2027年1月ごろ発行予定 |
| 新版の国際規格の発行 | 2027年5月ISO 45001:2027発行予定 |
改訂の特徴は、規格の基本構造を維持しながら、
・要求事項の明確化
・現代的なリスクへの対応
が中心となります。
これは、働く環境が2018年当時から大きく変化し、近年安全衛生上の課題となっている、
・心理的ストレスの増加
・リモートワークの普及
・気候変動リスクの顕在化
・人材の多様化
・AI活用の拡大
といった、現代の働き方や社会課題を反映した内容が盛り込まれるためです。また、健康で安全に働くことに加え、「労働に関係するウェルビーイング」への対応も新たな要求事項として追加されています。
ISO45001:2027は、こうした変化に対応し、より実効性の高いマネジメントシステムを目指しています。
ISO45001:2027の主な改訂点
① 労働に関係するウェルビーイングの推進
従来の「災害や疾病の防止」に加えて、働きやすさ、仕事に対する満足感、心身の充実など、働く人の身体的、精神的、社会的、認知的ニーズ及び期待が満たされることを要求しています。「労働に関係するウェルビーイング」はISOによって定義されておりますが、リーダーシップ及びコミットメント(箇条5.1)、労働安全衛生方針 (箇条5.2)、働く人の協議及び参加(箇条5.4)、安全衛生機会の評価(箇条6.1.2.3)等の要求事項として追記されました。
国内では、2026年4月から治療と仕事の両立支援が努力義務化されるなど、ウェルビーイングに関する法令も整備されています。
参考:治療と仕事の両立について(厚生労働省)
参考:中災防における令和8年度エイジフレンドリー補助金を活用した設備改善
② 多様性への対応
年齢、性別、言語、障がい、健康状態、LGBTQ、宗教など、働く人一人ひとりの特性を考慮した安全衛生管理がこれまで以上に求められます。例えば、国内では少子高齢化や労働力不足を背景に、多様な人材が安全に働ける職場づくりが重要となっています。
参考:エイジフレンドリー職場 オール・エイジアクション
参考:中災防における外国語による安全衛生教材
③ 労働衛生の推進 ※DIS版で8.1.3として新設
従来の健康障害や疾病の予防に加えて、働く人の健康に影響を及ぼす危険源及び労働安全衛生リスクを特定・評価・管理し、産業保健サービスへのアクセスを確保することが求められます。
また、健康状態や能力の変化に応じて、働く人一人ひとりのニーズを把握し、必要な合理的配慮を行うことが重要となっています。
④ 負傷及び疾病後の職場復帰支援
負傷や疾病から回復中の働く人を支援するとともに、安全かつ適時に職場復帰できる仕組みを整備することが求められます。
職場復帰に際しては、本人と協議しながら業務内容を適切に調整し、復帰後に生じ得る危険源及びリスクを管理することが重要です。また、職場復帰を理由とする不利益な取扱いや報復から、働く人を保護することも必要となります。
参考:心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(厚生労働省)
参考:中災防のメンタルヘルス対策への支援(セミナー・研修、講師派遣、ストレスチェック)
⑤ 心理社会的リスクへの対応
ハラスメント、長時間労働、人間関係、ワークライフバランスの阻害といった労働や職場に内在するストレス要因への対応が求められます。
なお、国内法においても近年の働き方改革関連法やストレスチェック制度の導入に代表されるように、企業に対するメンタルヘルス・労務管理への対応要求が高まっています。
参考:ストレスチェック50人未満小規模事業場実施義務について
参考:中災防におけるストレスチェックサービス
準備すべきポイント
ISO 45001の改訂版への移行手順を、一般的な規格移行の標準プロセスに基づいて3段階でご説明します。なお、上記にある主な変更点のとおり、国内法やガイドライン等ですでに実施されている取り組みばかりですので、対応は難しくありません。
✅ STEP 1|運用しているOSHMSと差異の把握
・事業場で運用している労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)と改訂版ISO45001を照らし合わせ、未対応の項目を整理する
💡 ポイント:改訂「労働衛生」「多様性」「ウェルビーイング」等の領域に特に注目する
✅ STEP 2|移行計画の策定
・移行期限(認証機関が定める移行猶予期間)を確認し、スケジュールを作成する
・責任者・担当者を明確化する
・必要な人員・教育について確認する
・外部審査機関との事前相談・移行審査の日程調整をする
💡 ポイント:移行猶予期間(通常 3年以内)を確認し、余裕を持った計画を立てる
✅ STEP 3|改訂版ISO45001の運用
マニュアル類を改訂版ISO45001の要求事項に合わせて更新・整備する
変更点について管理職・従業員へ教育を実施する
改訂要求事項に基づいたPDCAを実施する
💡 ポイント:内部監査、マネジメントレビューは移行審査前に必ず1サイクル完了させておく
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