JISHA方式適格OSHMS
適格基準の国際性
ILO(国際労働機関)は、2001年6月に「労働安全衛生マネジメントシステムに関するガイドライン」を策定しました。(同ガイドラインの原文(英語)については、ILOのホームページにおいて、要約(日本語)については 職場の安全サイトにて紹介されています。) これは、政府・使用者・労働者の三者の協力により作成された唯一の国際的基準であり、各国における労働安全衛生マネジメントシステムの適切な普及に資するものとされています。
ILOのユッカ・タカラ(当時、部長)は、我が国のOSHMS促進協議会2004年度総会へのメッセージ(PDF 168KB )の中で、中災防のマネジメントシステムは、厚生労働省のOSHMS指針に基づいて展開されており、こうした取り組みはILOのガイドラインが提唱している考え方に沿ったものであると述べています。
また、同部長は平成16年2月、中災防主催の講演会において、次のようなことを述べています(出所:中災防『働く人の安全と健康』2004年4月号、「ワールドビュー」)。
- 厚生労働省の指針や、これを踏まえた中災防のJISHA方式適格OSHMS基準などはILOのガイドラインに沿ったものになっている。
- 厚生労働省の指針や中災防のJISHA方式適格OSHMS基準は、労働安全衛生に関する歴史と背景に基づいた包括的なサービス、監査、評価という点で強みがある。 そのような意味では、企業がOSHMSの認証がほしいときは、包括的なサービスを提供できる中災防のような団体から受けることが理想的ではないか。
- ILOのガイドラインとOHSAS18000シリーズは矛盾するものではない。 しかし、OHSASは英国規格協会を中心とした民間機関が開発したものであり、国際機関レベルや政府レベルのものではない。 国際的な基準、あるいは日本の基準に基づくシステムの導入を企業として考えるのであれば、ILOのガイドラインや厚生労働省の指針に基づいた中災防の適格基準などに従うほうが賢明だと思われる。